リサイタル後の心境 〜その3「演奏会をすること」〜

こんばんは。仲村真貴子です。

ピアニストがリサイタルをするとき。
音楽家が演奏会をするとき。

いちばん大変なことは
何だろう…???

プログラムを用意すること
暗譜すること
体調を整えること

…その辺りが上位に来そうですね。

あるいは
集客?
宣伝?
雑務?
オーガナイズ??
…そう言った、演奏「以外」の部分??

自分の感覚で言うならば
プログラム、つまり演奏「だけ」に集中できないのが
いちばん大変!

…と思っていた気がしますね。

だから
演奏「以外」のことはすべて
誰かにお膳立てして欲しい!

…そんな風に思っていた。

付け加えるならば
「それが音楽家としての成功のカタチである」
と。
そして
そんな風に思うのは
私だけではなかったはず。

でも
敢えて今回は
ほぼ全部やりました。

もちろん
たくさんの方にお力添えを頂き、
ご心配もお掛けしました。
批判は、身近なところから強かった。

けれど、
月並ながら本当に得るものが多かった。

これは音楽家向けの内容になるかも知れないし、
批判も受けるかも知れませんが、
敢えて。

人と違うチャレンジをしようとするとき、
称賛も批判も含めて反応をくださる人たちが
「何を考えて」「どんな人たちであるのか」
意外とよくわかります。
今まで見えなかった部分まで。

これにはちょっと驚いた。
これは、私の能力が特殊な訳ではなくて、
単に「演奏しているだけではわからなかった」
と言う話。

その過程で、思ったこと。

誰に、
どんな人に
演奏を聴いてもらいたいのか。

どんな人に
何を伝えたいのか。

「誰に演奏を聴いてもらいたいのか?」

…そんなことを言ったら
高飛車に聞こえるかも知れない。
でも、
そこはみんなが意外と考えていない部分な気がします。

「集客」が大変と思う中で
会場を満員にしたいと思うならば、
極端に言えば「満員」にするために手段を選ばず
「誰に聴いて欲しい」とか言っている場合ではない。

けれど
願わくば
自分の想いを
「ちゃんと」
受け取ってくれる人に
聴いて欲しいな…。

これが本心だと思うんです。
アウェーの空気で満員よりも、
少なくても本当に大事に思ってくれる人に届けたい…
今回はそんなことを思いました。

野暮な例えかも知れないけれど、
例えば愛を告白するとき。
「誰でもいいから聞いてくれ!」
とは思わないはず。(笑)
本当に大事な想いを、
然るべき人に…と。
そのために手を尽くしますよね。

結果としては伝わることも
伝わらないこともあるけれど。
それは方法のせいかも知れないし、
縁がなかったのかも知れないし。
どちらかが「悪い」わけではない…
そう言うものかなと。

リサイタルにも、似たものを。
「する側」のエゴかも知れないけれど。
そんなことを感じていました。

ネットを通じてのトラブルや事件が
頻発する昨今、
ネットで発信することへの批判やご心配も頂きました。
私自身も、警戒心の強さから
失礼な対応をすることがあったかも知れません。

けれど、
リサイタルのその日時よりも「前」に
すでに何らかのコミュニケーションがあったこと、
それは私自身嬉しい驚きでもありました。

演奏会は
一人対大勢
ではなくて、

一対一の集合体

だと思っています。

その意味で、改めて。
ご来場くださった方々、
メッセージをくださった方々、
気にかけて頂いた方々。

本当にありがとうございました。

願わくば
私が「何か」を伝えることができていたら
本当に嬉しく思います。

それでは、また!
仲村真貴子

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