バッハをはじめまして。2

こんにちは。仲村真貴子です。

Das Wohltemperirte Clavier

日本語で「平均律クラヴィーア曲集」
大抵は「平均律」と呼ばれるこの作品の
原語のタイトルがコレ。
現代のドイツ語で書くとこうなる。
Das Wohltemperierte Klavier

“wohl”とは、
英語の”well”にあたる。
「いい、十分な」と言う意味。
“temperierte”とは「調整する」と言う意味。
なるほど、”Temperatur”が「温度」
と言う意味だから
辞書なんかには
「(部屋などの)温度を適温にする」とある。

つまり
Das Wohltemperierte Klavier”とは
「よく調律された鍵盤楽器」
と言う意味になる。

「平均律」とは
現代のピアノで主に採用されている調律法で
1オクターヴを12等分した調律法のこと。
「平均律」が「十分によく調律された」…とは
言えなくもないけども、
Wohltemperierte“と言う言葉が直接的に
「平均律」を意味する訳ではない。

「調律法」と言うのは
特にバッハが生きた時代…18世紀、あるいは
バロック時代には色々あって。
「鍵盤楽器」も色々あって。笑
今のような「グランドピアノ」はまだ存在せず
チェンバロとかクラヴィコード、
あるいはオルガンなんかが主流で。

いわゆる
今現在の「グランドピアノ」が完成したのは
1900年。
その意味で「グランドピアノ」ってのは
ハイスペックなマシーン。
ベルが発明した電話が、
今やスマホになっちゃったような
モンだと思う。

「調律」の話に戻ると、
普段耳にするJ-popやロックも
みんな「調性」と言うものがある。
曲全体の、ベースの色合い、
と言ったところかな。

1オクターヴを12等分にしたから、
そのそれぞれの音から出発する
「音階」の基本になる音は全部で12個。
その12個から、ざっくりと

  • 明るめ、楽しめ=長調
  • 暗め、悲しめ=短調

…この2種類がそれぞれにあるので
「調性」と言われるヤツは
全部で24個あることになる。

それで。
「その24個全部で曲を作ってみよう!!」
的な企画が
バッハの「平均律」である。
しかも、24個全部×2セットね。
もっと言ったら、
「前奏曲」と「フーガ」で1組なので
曲数は96曲ね。ヤバいぜ。笑

この「調性」。
ハ長調のように何もついていないものもあれば
#とか♭が6個とか付くものもある。
出発する基本になる音によって違う訳だけど
この「調号の多い曲」は
バッハの生きた時代は珍しかったらしい。
よく、ピアノを断念した人の理由が
「#とか♭が3つ以上は、ムリです。」
とか聞くのは、この音階の種類のことだ。

小難しい話はさておき、
音楽にも「24色の色鉛筆」が存在する…
なんて考えたら、面白いと思うのだ。
色合いとか、キャラクターがあること。
あるいは、何かの「象徴」であること。
「違い」はあるけど「優劣」ではないこと。

私は絵が苦手なくせに
60色のクーピーを持っていたり、
ペンとかアイシャドウとか
「色見本」みたいなものに
エクスタシーを感じるような変態なので
この「調性コンプリート精神」は割と好き。
さまざまな人が
「色彩論」ならぬ「調性論」を唱えていて
私にも自分なりに、
その「ベースとなる色」の
イメージがあるけれど。

音楽にも「色」がある…
そんな妄想力も、悪くないかもね。

第1巻 第13番 嬰へ長調

「嬰ヘ長調」と言えば#が6個で
譜読みがとんでもありません!!
…とか言われそうだけど。
それじゃあ、もったいないよね!っていう曲。

割と平均律も最初の頃にやる曲ではあるけど
この曲といえば
「コンクール」。
中学生の課題曲の定番です。
コンクールの経験がある人や
音大出身の人にとっては
「うわっ。あの曲…」
みたいな感じかもしれない。

私も弾いていて
曲想も相まって
非常に甘酸っぱいような
小っ恥ずかしいような気持ちになりました。
懐かしいなー、緊張したなー。

でも、
その当時頑張ったものって
身に染みて覚えているものだなぁ…とも実感。
その意味で、
「継続は力なり」。
音楽って時間を掛ける価値のあるものだな、と。

眩しいような光と、
ちょっとした切なさと。

フーガは3声。

第1巻 第9番 ホ長調

…こちらも同じくコンクールの定番曲。
コンクールがSMAPのコンサートと
ぶつかってしまって、
泣く泣く横浜スタジアムに行くのを
諦めた!!
…っていう、思い出の曲です。爆

いやぁ中学生の頃。
よく練習してましたね。笑
何か青春真っ盛り!みたいな曲。個人的に。

改めて弾いて思うのは
意外とフーガがスリリングで
コレ本番で弾くの結構怖かったと思います。
リズム感と、あと指がもつれそう。笑
オトナになると
指捌き云々よりも
リズムの感覚的な捉え方は
ちょっと上手になるかも。
…そうだといいな。

フーガは3声。

第2巻 第1番 ハ長調

「平均律の第1番」

…と言えば、
おそらく誰もが耳にしたことがあろう
有名な曲だけど。
2巻の第1番は「…じゃない方の」第1番。

このプレリュードの
スコーーーんと抜けるような響きと分厚さが大好きで
教会で光を浴びるような
何か突き抜けるようなイメージ。

フーガはカッコいい感じの。
ノリが良くて。
コレ、決まった時の爽快感が
忘れられなくて病みつきになるんだけど
結構怖い。笑
本番とかだったら超怖いと思う。笑

フーガは3声。

…まだまだ続きます。
それでは、また!
仲村真貴子




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