Ritorna Vincitor!

Ritorna Vincitor!

「勝ちて帰れ!」の日本語タイトルで知られる、ヴェルディ作曲のオペラ「アイーダ」の中で、エチオピアの王女アイーダが歌うアリア。昨日、歴代の名歌手たちが歌うこのアリアを聴いていたら、今日、歌のレッスンで人の伴奏をしながらも、この曲が脳内で無限ループ…(笑)そして、相手は受験生。集中しろよ!という突っ込みはさておき、受験生相手に「勝ちて帰れ!」とは、何だか生々しい気もします。

でも、実際のところ、私の中で無限ループしていた部分はアリアの最後の方。

“Numi, pietà del mio soffrir!”

神々よ、私の苦しみにお慈悲を!…これも何だか生々しいですが、ドラマチックなアリアの、本当に美しい部分です。私が歌を聴きたくなるときは、多分ちょっと弱っているとき。自分が言いたくても言えない気持ちとか、隠されて気付かない思いを、誰かに代弁してもらって重ねているのかもしれません。それは、オペラでも、例えばJ-POPなんかでも同じこと。X JAPANを聴きたくなるときは、まぁかなり強烈に何かあるときだし。(笑)これも代弁して欲しいというべきか、そうやって自分に気付こうとしているのかな。勝ちて帰れ。私の苦しみにお慈悲を。これは私が受験生を思う気持ちもあるけれど、他ならぬ「自分自身」に対して思うことのようですね。そんな訳で、テバルディの録音を…

仲村真貴子