ベートーヴェンの難しいところ

こんばんは。仲村真貴子です。

「ベートーヴェンは難しいから…」

よく耳にするこの言葉。

別に、バッハだってモーツァルトだって、
ショパンだって、シューマンだって難しいと思うけど。

「ベートーヴェンは難しい。」

ここ数日、ベートーヴェンのことでも書こうかと思っていて、ふと思い出した。
夏の暑い盛りに、必死に練習してましたね、ベートーヴェンとか。コンクールの課題で。
レッスンも緊張するし、時間とか礼儀なんかも気にして萎縮するし、親とはケンカするし。(笑)ベートーヴェンの好き嫌い、よりも、知らないうちに課せられている負担みたいなもの。ベートーヴェンの難しさのひとつは、「自分の記憶にあるもの」かも知れません。25年ほど前の話…と思うと、驚愕の極み。(笑)

まぁ、当時から「ベートーヴェンは難しいから」と言われていたワケで。

でも、何がそんなに難しいの??

…答えを聞いた覚えが、ない。
質問してはいけない…と思っていた気もする。

今ならば、答えなんて「ないことが前提」とした上で。
「ベートーヴェンの何が難しいのか」

・音数が少ない
・形式的なこと、構造的なことを理解しないといけない
・歴史的名演が多すぎて、すでに弾きつくされている
・テンポはインテンポ。楽譜に書かれたことを守って。自由じゃダメ
・上手さより下手さが目立つ
・みんな、ベートーヴェンの名前を知っている。(笑)
・シューマンだって、ブラームスだって、ショパンだって、ベートーヴェンを知っている。
・入試とか、コンクールとか、避けて通れない(笑)

…冗談のようなものも含めて、こんな感じ??

恐れずに言えば、ベートーヴェンに関しては、それほど苦手意識はなかったし、どちらかと言えば好きだし、得意だった。

ベートーヴェンの特徴のひとつである「構造」や「構成」。
それと、テンポとか、安定感とか、ゆっくりなところを歌うとか、ミスが少ないとか、そんなところがクリアできてしまうと、意外と上手くいってしまう側面があると思う。コンクールとか、入試とか。減点されないから。

ただし、そこそこまでは。

ここ10年くらい、自分ではなんとなくベートーヴェンが行き詰っている感じがしていて、そういえばちょっと悩んでいた。自分が出来ることの見当はつくけど、なんだかイマイチ。ちょっと足りないような。

ドイツに留学しておきながら、実はドイツであまりベートーヴェンを弾いていない。あまり弾いていなかった作曲家に触れたい、というのもあったけど、正直なところちょっと避けていた節もある。

もう、入試とかコンクールで弾いて散々疲れていた、というのが1つ。
まぁ、これが大きいけども。

ちょっと疲れて、向き合うのが、しんどかったんだと思う。
…そんな訳で、ベートーヴェンの難しさの1つは
「自分があぶり出されること」

テクニック的な話ではなくて、自分の「内的なもの」が表されるのはベートーヴェンに限らないけれど、テクニックで勝負が出来ないとなれば、「自分」とか、「自分がベートーヴェンをどう見るか?」みたいな部分が自ずと必要になってくる。「構造」とか「構成」と言った、ある種の「テクニック」だけに目が行くと、ベートーヴェンはワナにハマる!という話かな。

…to be continued

それでは、また!
仲村真貴子

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