ぴあののはじめかた5

こんにちは。仲村真貴子です。

「一人でピアノが弾けるように」

…と、言う訳で。

小学校に上がった時から
練習も
レッスンも
一人でやろうね。

と言うことになりました。

レッスンで一人っていうのは
レッスン中に親が立ち合わない、
中に入らない、っていう意味です。

送り迎えに関しては
水戸にいた頃は家から3分のお教室でしたが
東京に来てからは
学校の後に夜に遠出…というのも
頻繁にあったので
付き添っていましたね。

幼稚園の時は、
レッスン中も親が付き添っていたし
練習も一緒だった。

幼稚園生のときとかって
お行儀悪かったりするから
レッスン中に先生とか大人のマネして
足組んじゃったりとかするんですよ。苦笑
それで怒られたりとか。

ただ、レッスンの内容を
親が覚えていて通訳!という感じではなくて
練習を親が誘導するような
感じだった気がする。

先生がこう言ってたから
「こうしなさい!」
みたいなのは、あんまりなかったような。。。

私は左手があんまり動かなかったので。
譜読みの時とかに
「じゃあ、右手。5回やろう。」
「左手は苦手だから。
10回やったらどうかな?」
「もういいの?どうする?」
みたいな感じで。

小学生になったから
一人で練習しよう!!

というのは、
いつまでも親がかりじゃマズい…
というか、
一人で、自分で弾けるようにならないと
困るよね…という理由から。
まぁ、徐々に親が追いつかなくなったから、
という理由もありますが…。

レッスンで先生に習う、
っていうのはやっぱり大事なんですが。
練習の時っていうのは
先生はいない訳なんですよ。
そうなると
自分一人で何ができるか?
っていう話になってくる。
いつまでも、
誰かに譜読みを手伝ってもらってちゃ、
ダメだよね、ということです。

一人でやり始めた、最初の頃は
やっぱり結構大変で。

譜読みの間違いが増えたり
曲が進むペースが
ガクンと落ちてしまったり。

譜読みの間違いは、
特にソとシとか、
ラとドとか。
「一線」「一間」違い、
というのが多いパターンでしたね。

それと、
その頃から親子喧嘩も増えました。笑

あの、
ピアノって音が鳴るもんで。
弾いてないと、バレちゃうんですよ。笑

「弾かないなら寝なさい!」
に始まり、
「そんな練習の仕方でいいと思ってるの?」
「そんなんで弾けてると思ってるの?」
「弾けてると思うなら聞かせて!」
みたいなことから
相当激しい喧嘩に発展し…
まぁ若かったですね、お互いに。笑

お金かかってるんだから
やるならちゃんとやれ!!
っていうのは、そりゃそうですね。笑

でも、
「嫌ならやめたら?」
と言われて、やめなかった…
ってことは、
嫌じゃなかったのかもしれないですね。
…ということにしておきましょう。

「いつまでも先生がいると思うな。」
とは、師匠Pistoriusの言葉。

何かを本当に、
感覚的にわかるには時間がかかるものです。

発表会全記録:後編

  • 7歳(小学校2年)
    モーツァルト:ピアノソナタ KV 545 全楽章

…来ました。
ようやく知ってる曲。
「ド〜ミ〜ソ〜シ〜ドレド〜」です。
(…打つとめちゃ時間かかる。
弾いた方が速い。笑)

これ。
前の年に「弾きたい!」って言って
却下されたんです。
早すぎる!って。
それまで、発表会といえども
いわゆる発表会の「定番」みたいな、
知ってる曲を弾いていないので
嬉しかった。

発表会に限らず、
私レッスンでもあんまり有名な曲、
やってなかったみたい。
楽譜見ると「エリーゼのために」とか
「ねこふんじゃった」とか
全然やってない。笑
それと、有名な曲を
子供用に簡単にアレンジしたものも
やらせてもらえなかった…
のもあるけど
あんまり好きじゃなかったみたいで
全然やってない。
(…この感覚は、今もあまり変わらない。笑)

そんな訳で。
モーツァルトの有名なヤツ!!
知ってるよ!!

…という感じで嬉しかったんですが。
めちゃ大変でした。

長いトリルが苦手で
数とか決めてましたね。笑
左手と、超ゆっくり合わせて
メトロノームのメモリを
一つずつ上げていく!!
とかいう練習を、ずっとやってました。
いつの間にか、
そんなに大変じゃなく
トリル入るようになった。笑

それと、
モーツァルトって
下手なのわかっちゃうんですよ。笑
ハチャトリアンとかだったら、
ぶっちゃけ間違っても
結構バレなかったりするけど。

モーツァルト。
バレバレ。

なので。
ほんとーに、よく親と喧嘩してました。笑

確かに「全楽章」って
やっぱり結構大変なのは事実で
そりゃあ結構真面目にやらないと
無理だよなぁと。
未だにやっぱり親の前で弾くのが
秘かに一番緊張するかもしれない。

やっと最近かなぁ、
「あれ、何の曲弾いてるのー?」
みたいになったの。
譜読みでヘタでも、
作曲家とか、曲がわかるくらいなら
ちょいとまともじゃんねぇ。
とか思ってみる。

幼稚園の卒園アルバムに
将来の夢は「ピアニスト」って
ヘタクソな絵を描いたけど。笑

自分の感覚として
「ピアニスト」を意識したのは
この発表会かもしれない。

なぜならば。
「知っている作曲家」の
「知っている曲」を
やっと弾けたから。

3歳から始めて
7歳でモーツァルトだから。
4年???

それが長いか短いか?は
人それぞれだけど…
でも、
こうやってまともに振り返ると
結構早い気もするかもしれない。

  • 8歳(小学校3年)
    ベートーヴェン:
    「もはや私の心には感じない」による変奏曲
    ロンド ハ長調

「もはや私の心には感じない」って、
何ぞや???

っと、書いていても思うんですが。笑
Nel cor più non mi sento”っていう、
割と有名なイタリア古典歌曲があるんですね。
歌の習い始めとかにみんなやったり、
入試でも課題に出たりする訳なんですが。
最近は、もっぱら伴奏弾く側。
ともかく、それの変奏曲があるんですよ、
ベートーヴェンで。

「ロンド」は後から付け足して
プログラムに入れたんですが…
いい曲だけど大変でした。

…というのも、
発表会が6月か7月で、
5月の連休に水戸の芸術館で
ハイドンのソナタ弾いていて。
まず日にちが近くて結構大変だった。

ただ、
敢えてこうして振り返ると
「モーツァルト」を弾いてから
急激に本格的になってきた感じがする。

「今年の発表会、ベートーヴェンだよ!!」

って言った時は、
家が軽く騒ぎになりました。笑

  • 9歳(小学校4年生
    バッハ:フランス組曲 3番 
    バルトーク:ルーマニア民族舞曲
    ショパン:猫のワルツ

ちょっと長めのプログラムを弾いてみよう!
という訳で、
大体20分くらいのプログラム。

プログラムが長いのは
そんなに問題じゃないんだけど…
これ位になると
完全に意識するところが
「コンクール」とかになってくる。

それで、
「バッハの音が、
イマイチ立ち上がらない」
という弱点が出てきた、というか
気付いてしまったところがあって。
以降、私は本当にこの問題に
苦労して、時にはビビってきた。

それは、
自信とか壁とか、精神的なことか、
関節が緩いとか
打鍵のスピードとか
テクニック的なことか。

まぁ両方なんだけども。
そのことを、
あんまり意識しなくなった、というか
その感覚が変わったのは
ドイツ行ってからかな。

だから、
「音」ってものに対して、
出し方とか聴こえ方ってものに対して
今なら言えることはあるなぁ
とは思う。

それと。笑

この時、後から付け足したショパンが
輪をかけて最悪で。笑

私、ショパン弾けて嬉しかったんだけど
最低でした。

以降、
ズーーーっと
「おまえショパン弾くな!」的な
レッテルが貼られ、
ちょっとヤバいレベルで
ずっとショパン避けてました。
苦手だし、
一生まともに弾けないと思ってた。

…なんだけど。
初のCDにショパン入れちゃうんだから
人生わからんモンよね。爆

最初にワルツやるからいけないんだよね、
多分。

  • 10歳(小学校5年生)
    リスト:小人の踊り
    シューベルト:即興曲 作品142ー3
    プロコフィエフ:「束の間の幻影」より14番

この時はすでに東京に引っ越していたのですが
多分東京から水戸に弾きに行って…
でも、道中は記憶にない。笑

コンクールに落ちた後だったので
結構必死だった覚えがありますね。

リストが初めてで嬉しかったな。
ほら、リストって
弾けると「ピアニストっぽい」みたいな
印象あるじゃない?笑
いかにも難しいやつね!っていう。

シューベルトは、
「難しいからやめた方がいい」っていう
反対を押し切りました。笑

プロコフィエフは…
コレ、コンクールの課題だったから
後から足したんだけど…
イマイチだった。

ショパンにしろ
プロコフィエフにしろ
「一番最初に弾いた時の印象」って
やっぱり結構強いもので。
「一番最初」があんまり上手くいかないと、
その後の印象が
どうしても悪くなってしまう感じがする…。

ショパンは苦手意識のカタマリだったし
プロコフィエフは苦手…
っていうか、
正直あんまり好きじゃないんだろうなぁ…。
そのうち気が変わって
弾き始めるかもしれないけど
今のところ予定無し!って感じがする。

3歳から、人生の大半どころじゃなく
ピアノを弾いていると
いつまで経っても
「足りないことばっかり…」
って思うことが
正直多いんだけれど…

こうやって振り返ると
「なんだ。結構色々やってるじゃん。」
って思えるから、不思議。

…それにしても。

あのクソ下手だった
「ネコのワルツ」弾いた人が
CDにショパン入れちゃうんだから。

ホント、我ながら衝撃だ!

と思う訳であります。

人生、わからん。

それでは、また!
仲村真貴子