おうたのおはなし9〜「リアル」な感覚を深めること〜

こんにちは。仲村真貴子です。

「リアル」な感覚を深めること…

昨日は久々歌い手との仕事で
曲は偶然ダブル「ロミオとジュリエット」。

「いい仕事した!!」って感じ。

「ロミオとジュリエット」を題材にしたものは
バレエもオペラも映画もいろいろあるけど。
「カプレッティ家とモンテッキ家」は
ベッリーニ作曲でイタリア語。
「ロミオとジュリエット」は
グノー作曲でフランス語。

「カプレッティ」の方は
直近の本番で弾いているので
イメージはすでに色々と。

グノーの方は、
私好きで聴いているし
ウィーンで観ているはずなんだけど…
ジュリエットが毒を飲む方のアリア。

…あれー、なんで知らないのかなー。
まぁ楽譜見たことないしなぁ…。

家でオペラ聴いてる時は
あらすじも読まずに
画像も見ずに
何かをやりながら…
が多いので
実はあらすじとかあんまり知らないことも
多々あります。
オペラは、音楽よ。笑

グノーって印象的な旋律を書くのが
上手な人で
「サビ」に当たるような
有名なフレーズが必ず出てくる。
「ファウスト」も、同じく。

…っていうか、「ファウスト」大好き。
個人的にはフランス物のオペラって大好きで
自分がフランス物を演奏するときのイメージは
そこから来ているものが多い気がする。
最近のマイブームは
ビゼーの「真珠取り」。
サン=サーンスの「サムソンとデリラ」なんかも、
好き。

今は復習に「ロミジュリ」聴きながら
コレ書いてる。

…そんな訳で、弾いているうちに
「あぁ!!これかぁ!!」
と思い出し、
ここ有名だよね、
ここ大好きだよね!
毒を飲む前の不安感…
ここはもっとこう弾きたい、
こう歌って欲しい!
グノーってこの和音好きよね…

…とか、
いろいろ出てくる訳よ。

自分がピアノを弾いたり
音楽に関わったりするのは
「健康のため」
とか最近は思ってきていて。
心身の健康。
けど、どっちかって言うと
「心の健康」。
精神安定剤的役割。笑

「指を動かす」ことが云々みたいな
運動能力的なことより
この「ああしたい」「こうしたい」っていう
アイデアが出てくることに
喜びや幸せを感じる。
自分の「欲求」に気づけることに
自分の「欲求」がまだあることに
ホッとするのね。

確定申告のデータと格闘していて
それも意外と嫌いではないのだけど
「欲しがりません 勝つまでは」みたいに
ちょっと節制してしまうと
何となく調子が悪くなってくる。笑

一方で、
「この曲、どんなイメージ?」
「この曲の、好きなところは?」
「どんな感じがするの?」
とか訊くと、答えが返ってこないことの、
多いこと。
歌い手にしろ、ピアノにしろ。

「そんなのって、あるんですか?」

って言う答えが返ってきたりとか。笑

最近よく思うのは、
自分が「何を感じているのか」、
どんなイメージがあるのか…
そのイメージを持ってもらう、
感じるを「鍛える」には
どうしたらいいのかな?って言うこと。

技術の話は
私も好きだし、
それはそれで楽しいのよ。

ピアノの技術に関してざっくり言ったら
ピアノを弾くことって
指の「上下運動」と思われがちな気がしていて…
「腕」をうまく使うことと
縦じゃなくって
横とか弧を描くような意識の方が
大事…と言うか、
そこが意識されていない気がする。
「縦社会の象徴」だとしたら、
ちょっと怖いなぁ…。

それに、
技術を習得することでさえ
「感じること」
だと思うのよ。

弾きやすい?
動きやすい?
音はどう変わった?
あるいは
辛いのか
疲れてくるのか
痛くなってくるのか。

このご時世に
何でも「オンライン化」と言われていて
私もこうしてオンラインで
「書いて」いる訳だけど。

それが
いつも「リアル」な感情が乗るように…
とは、意識しているつもり。
ウソがないように、と。

真の意味で「オンライン」を
うまく使って、理解することとは
「リアル」なものを
深めていくこと、
「リアル」なものに
価値を見出していくこと…
という感じがしている。

何でもいいけれど
例えば何かを食べた時に
どんな味がして
どんなものが好きなのか。

食いしん坊の言い分ではあるけれど
その意味で
「美味しいもの」に興味がない人は
個人的にあんまり仲良くできない。笑

別にセレブな食生活を…
と言う意味ではなくて、
自分の中に取り入れるものに
「何か」を感じることって
大事だと思うから。

「イメージすること」のリアリティは
自分の目で見て
自分で足を運ぶこと。
「体感すること」で
感情の引き出しは、
増えていくのかな…
と思いつつ。

グノーの「ロミジュリ」も
リストの編曲版があるのね。
そのうち弾くかもしれないし
弾かないかもしれない。笑
けど、素敵な曲よ。

それでは、また!

仲村真貴子

追伸:
久々サッカー見てて
同点に追いついたシーンで
思わずちょっと泣いちゃったわよ。笑
その気迫と、読めない展開に。
「リアルな感情」って
そう言うもの。
面倒くさいくらい、
いちいち何かを揺さぶられるもの。