プログラムの話、曲の話

こんにちは。仲村真貴子です。

…私たちは、曲の話が好きだと思う。(笑)

このBlogでもすでに2度ほど、
似たような話を書いているらしい。

リサイタルを終えて曲の話が出始めたのは
5日後位。
そこそこ元気かもしれない。
…逆に今の方がちょっとだるさを感じる気もするけど。

なぜ曲の話が好きか?と言えば、
まだやれそう…と思えるから。(笑)
「まだ、やれそう」
と思える自分に、ホッとするんだと思う。

曲の話をする限りは結構夢も見られるし、
どこでも飛んでいけそうな気がする。
何だって弾けそうな気がする。

「まだ、やれそう…」
その火が消えてしまったら、
もう出来ないから。
自分に火があることを確認して
ホッとする感じ。

「音楽が好きだから、
弾きたい曲が尽きません!」
…と、言いたいところだけど。(笑)
好きだから火が消えない、というよりも
火があるのかどうか、
火を持っていていいのかどうか
確かめている感じがする。

「まだやれそうかな。」
「まだやっていていいのかな。」って。

曲に関して言えば、
コンクールと長い学生生活のおかげで
「人に決めてもらうこと」
「制約の中で決めること」
に慣れ切ってしまっていて、
意外と自分でどうしたらいいのか
ワカラナイ。(笑)

人に決めてもらって、
制約の中で、
ある意味
「勝ちに行くこと」を考えると
「制約の気楽さ」
「不自由さへの依存」
みたいなものがある。

つまり、
結構、人のせいにしたり、
言い訳できたりする。

でも。
自分でリサイタルをするのに
言い訳できないじゃんね。(笑)

けれど、
だから曲の話が好き。

今回弾いた
「ショパン」
「スクリャービン」
「ドビュッシー」
…この辺り。
増やして行けたらいいなーなんて思いつつ。

「ブラームスは?」
「シューマンは?」
「あと、やっぱりベートーヴェンね。」
「え、チャレンジ精神でラヴェルとか…」
…こんな感じで、
きっと今は自由に空も飛べるはず!(スピッツ!)
っとなったところで。

「…この作曲家、どう?」

…モーツァルト。

…鼻血が出るかと思った。

「え、やっていいの?」
「『やっていい?』ってどういうこと?」
「好きだけど、怖くて言い出せなかった…。」
「やればいいじゃん。」

「モーツァルトが好きな人」とは仲良くなれるけど、
「自分はモーツァルトが得意!」って人は、
個人的にちょっと怪しい…と思っている私。

みんな無条件に「モーツァルトは難しい」と言って、
「上手さより下手さが目立つ」とか
「文句言われるからやめろ!」と言われたり。

「…やったら?」って言われたら、
やるよ、やっちゃうよ!と思ったり、
うれしはずかし朝帰りみたいな気分になったり、
少々壊れてきた。

ただ、モーツァルトを弾くにあたり、
問題が1つ。
モーツァルトって、
ピアノソナタも変奏曲も素晴らしいけれど。
核にあるのは
「オペラ」と「ピアノ協奏曲」。
やっぱり、そこに迫りたくなると思うのです。

「ピアノ協奏曲」って何か?
あの、ピアノ一人だけじゃ
どうにもならないヤツのことですよね。
…どーすんだろーねー???(笑)

膨らむ妄想で、私のテンションはチョモランマ。
(…結局のSMAP。笑)
だから、
私たちは曲の話が好き。

それでは、また!
仲村真貴子

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