曲のはなし

こんばんは。仲村真貴子です。

基本的に私たちは、曲の話が好きだと思う。

昨日、数年ぶりに友達と会った。
12時頃会って、解散したのは18時半くらい。
実に6時間以上。(笑)
ついでに後から考えてみたら、大半が「曲のはなし」だった。

「有名な曲、親しみやすい曲の演奏会って、プログラムどうする?ちなみに、1曲が7分以内。合計40分くらい。」
「あー、それ。結構大変なヤツだね…。」
「うん。有名な曲って、結構やってないから困る。」
「それに、偏るしね…。」
「でも、有名な曲って、すでにみんな弾いてるからね…。悩む。
やっぱり、ショパンの幻想即興曲とかかな?」
「私、それ弾いたことない。(笑)
私は、有名どころを、ちょっと外すのが好き。
ショパンのノクターンとか、一番有名なのでもいいけど、それ以外もいい曲あるよ!って感じが好き。」
「たしかに…。なるほどね。」
「知ってる曲ばっかりすぎると、大変だよ、お互いに。」
「それ、音楽家じゃない知り合いも言ってた…。
昔はバッハで始めるとか、信じられないって思ってたけど、最近いいかも…って思うようになってきた。」
「年取った?(笑)
フランス組曲からちょっと抜粋とかもアリだよね。
あと、スカルラッティとか。イントロクイズみたいにして、必死で曲探した。(笑)」
「スカルラッティねぇ。いいかも。
あとは、ここでそんなに弾いてないロシア物にチャレンジするか…」
「スクリャービンのヘンな小品とか?(笑)
プロコの束の間から抜粋とかもいいかも。私、やらないけど。」
「なるほどね。
小品と言えばドビュッシーだけどね。だけじゃないよね。」
「うん。」
「シューマンの幻想小曲集ならやったけどなー。」
「あ、それ。使えるじゃん。」
「子供の情景、森の情景とかもあるねぇ。」
「ユーゲント・アルバムなんかもあるよ。
楽しき農夫とか、五月とか。きれいだし。」
「おぉーう。
ねぇ、リサイタルやるとしたら、シンフォニックとか、どう?」
「それ、この前誰かに言われた。
へー、やっていいの?って思った。」
「うん。イメージあるよ。」
「私、クープランの墓とかいいな、とか思ったけど。
クープランとシンフォニック…結構ハードじゃない?」
「その2つだったら、どっちが最後?」
「え?!そこ??
トッカータを最後にする勇気があるか…。前半の最後がいいかな。
シンフォニックは、それで始めたいかも。」
「あー。最初のイメージね。落ち着いてるし。いいかも。」
「でも、ミドミド、ドミドミとか、弾けるかな?(笑)」
「他にもっと大変なとこ、あるでしょ。(笑)」
「だったらさらえ!って話だよね。(笑)」
「でも、たまに弾いてると、家族とか、『それ、弾いてどうするの?何もないのに…何かあるの?』ってならない?」
「わかる(笑)」
「何かないと、弾いちゃいけないですか?ってなる。」
「レッスンとか、コンクールとかの弊害だよね。
曲も、それに左右されちゃうし。」
「コンチェルトとか…ね。弾きたい曲、いっぱいあるのに。」

…文字起こししただけで、結構ニヤけてくる、曲目の話。
それに、音楽家あるあるのいろいろな話が含まれていて、余計にニヤけてくる。
いざ、弾いてみると現実に直面して、楽しいのは最初だけ、いちばんいいのも最初だけ!なんてことはよくあるけども。

シンフォニックと、クープランの墓。

むふふ。いいかもしれない。

それでは、また!
仲村真貴子