ぴあののはじめかた11

こんにちは。仲村真貴子です。

今日のテーマはズバリ「ピアノ」。

楽器どうよ??というお話を。

「いい楽器を弾く意味とは、何だろう??」

ピアノが上手になりたい!

と思うならば、
願わくば「ピアノ」を弾いて欲しい…
と思いますね。

ここで言う「ピアノ」とは
いわゆる「アップライト」か「グランドピアノ」。

電子ピアノや、
サイレント機能がついたものではなくて、
いわゆる電子的機能が付いていない「ピアノ」を
弾いて欲しい…
と思う訳です。

もちろん、
住宅事情や目指すものによっても
違うけど。

それでも、
たまには「グランドピアノ」を
弾く経験をして欲しいな…
なんて言う思いもあります。

将来、
「ピアニストになりたい!!」
とか、もしも思うならば。

電子ピアノではやっぱり厳しい、
私なら出来ればサイレント機能も
避けて欲しいかな…と言うのが
正直なところ。

では、何故なのか。

「タッチが変わるから」

…と、答えていたと思う。

以前ならね。

でも、
つまるところ楽器って個体差があるわけで。
「タッチが変わるから」
と言うのは、
今はちょっとしっくり来ない。

イタリアのコンクールなんかで、
指ならしのために
電子ピアノが置かれていることは
そう珍しくありません。
そういう時は、
流石に手を出さないでどうにかするかな。笑
直前に電子ピアノを触って、
その後に普通のピアノを弾くと
やっぱり違和感があるから。
いくら「鍵盤の重さは同じだよ」と言われても
感触も違うし
グリッサンドとかなら、たまにケガをする。
そう言う時は、
「本番の前弾けないときメニュー」を
粛々と実行する。

ある時ドイツで
超多忙な伴奏ピアニストの演奏を聴いた時に
「なんか音が薄いなぁ…」
と感じて、疑問に思ったことがあった。
忙しいからなのか、
タッチが荒れているからなのか。

その後に
「いつもサイレント機能付きで
ヘッドホンで練習をしていて。
超便利!!」
と言っていて、納得してしまった。

そう、便利なのよね。
納得するよ。
忙しくても夜中に練習できるし。

タッチが変わる、
要するに指の動きが重要なのは
運動能力としての意味ではない。

タッチが変わると
「音が変わるから」。

もっと重要なのは
電子ピアノやサイレント機能とか
ヘッドホンだと
タッチによって音が変わる、
と言うその感覚に
「気付けないこと」。

耳が育っていかないこと。
その、
感覚が育っていかないこと。

これは、
ピアノの本当にいい部分を
味わえないと思うのです。

ピアノを弾くには
「指の動きが重要」と言うのは
ご存知の通り。
それよりももっと大事なのは
「その音がどうなのか?」
って言うこと。

昨今の電子ピアノは非常に優秀で
強弱もつくし
本物のピアノに鍵盤もかなり近い。
音も、似ている。

だけど
「似ている」域を出ないのよ。

それは、
音が空気を振るわす感覚が違うから。

電子音とは、
いわば信号なわけで。
いわゆるピアノは
共鳴体や弦の振動、
打鍵の瞬間など
あらゆる瞬間に「振動」を
感じていると思う。
音波、とも言えるかな。

それらは結構無意識的なもので、
楽器の良し悪しで演奏が変わるのは
反射的にそれらの瞬間の
「振動」とか
「音波」みたいなものが
繊細で、心地いいのだと思う。

まぁ、いい楽器を目の前にすると
テンション爆上がり!するものだし。笑

いい楽器に、
奏者が育てられる感覚は、
そこにある気がする。

開かれた「感覚」と
開かれた「耳」を
鍛えてくれる、
敏感にしてくれる。

こちらの技量によって
出てくる音や反応が違うのって
楽器はさながら
「生き物」のようじゃない?

音楽によって「自然」を感じるならば
楽器という「生き物」の存在から
スタートするのかもしれない。

「電気信号」という物理現象よりも
「振動」とか「波動」「テコの原理」みたいな
太古の昔からある物理現象の方が
やっぱり「自然」を感じられるのかもしれない。

…という、
夏休みの自由研究レポートでした。笑

それでは、また!
仲村真貴子