本番前後の「奇怪行動」〜リハーサル編〜

こんにちは。仲村真貴子です。

「本番当日の過ごし方は、難しい。」

…と、一言言ってしまえば終わっちゃうんですが。

輪をかけて難しいのが
「リハーサル」「ゲネプロ」。
いわゆる当日の、会場でのリハーサルですね。

本番のために「リハーサル」ってやるんですが
リハーサルの「練習」とか。
やらないですよね??笑
…とか思うくらい、
当日リハーサルは私にとっては難関です。
と言うか、苦手…だった。

試験なんか場合は、
会場での指慣らしが全くできない!!
と言うことも、あります。

数回に渡り某芸術大学を受験しましたが、
現役の時はいきなり本番!!でした。
何回目だったか…3回目??くらい??に
指慣らしの時間が7分くらいもらえて、
これはこれでビミョー。笑
いずれにせよ、
あってもなくても弾ける状態にしておく。
それ以外に、方法はありません。

「弾ける状態にしておく」
と言うのは、
いきなり弾く練習をする!!

…のではなくて、

ピアノに触れないとしても
体が温まって動く状態にしておく。
ストレッチとか「動かす」メニューを考えておく。

もしも指慣らしの時間があるなら、
チェックする場所を決めておく。
出だし?
危ないところは、どこ?

いずれにせよ、
7分弾いたくらいじゃ
体は温まりません。笑
結局は別の部屋だし。
無いよりマシ、
それより1人で落ち着くための時間…
と言う感じ。

ちなみに私は、
本番に向けてテンションを
「上げる」と言うよりも
「下げる」イメージの方が強いですね。

頭はクールに。
体は緩んでいてあったかい状態。

「気合入れて行くぞー!!」
みたいなのとは、真逆かと。

…さて、今回の「当日リハ」。

何か家で弾いてる時から
体が温まらず、
二の腕辺りが冷えていて。
うーん…と言う感じ。

結構緊張していて
弾いた感じ、あんまり調子よくなかったので
家ではゆっくりさらっていたのです。

わざと。

道中、電車の乗り換えを間違え、
会場に着いても
体がなかなか温まらない。
ピアノの鍵盤も会場も冷たい。

…と言う訳で、
本番中も私は寒かったです。笑
証拠に、若干椅子がピアノに近い。
コレ、クセです。
余裕がない時に、ピアノに近づきたくなる。
でも、今回は楽譜もあったし
別にだからと言って問題はない。

ただ、リハーサルでは
冷たい鍵盤に慣れるのに必死。

それと、
ピアノが鳴りすぎる感じが
すごく気になって。
もう、
気になって気になって…と言う感じ。

「イッテきまーす!!!」

みたいな音してて。

ヤバい、うるさい、どうしよ…。
みたいな。

音が気になってたら
ゆっくりさらいすぎたおかげで
テンポがわかんなくなってるし、
ヤバい、何かちょっとわかんない!!
ってなった、リハでした。苦笑

…まぁ、そのためのリハだけど。

悪いリハーサル、
いい本番。

…って言葉もあるし。

リハでうまく行きすぎるのも
心情的には怖いものがあります。
2本揃えるのは厳しいし。

でも、リハって
疲れたくないし
意味がないのも困る、
失敗して変なクセつけたくないし
うまく行っても若干不安…
と言うのが難しい。

「リハーサル」と言えば、
会場での響きに慣れる、微調整な訳ですが
ピアノが「鳴りすぎる」と感じたら
控える、と言うよりも
タッチをゆっくりにする。
アテに行かない。
「鳴らない」と思ったら
指を捌く意識をする…
などなど、もうそこは
自分の「感覚」と「決断」です。

リハがなかったら。
もう、行ってしまえ。
弾くしかない!です。笑

今回、歌い手と一緒だったし
「会場の、生のイメージ」ができたのは
よかった。
リハーサルで
「会場の響き」を真っ先に考えるのは
長年染み付いた感覚で
そこであれこれ対応できたし。

しかーし。。
コレ、「ライヴストリーミング」だった。。

家に帰って聴いたら、
思ったよりデッドな響きで若干ビックリ。
…そうか。
自分で音響チェックはしてなかったし
時間も余裕もなかったっけ…。

頂いた感想に、
「イヤホンで聴いていました」
と言うものがあって、
あぁー、なるほど!!
と思いました。
そうか、そういう状況も、あるのか。

自分では「イヤホンで音を聴く」のは
飛行機の中くらいだけど、
今やスピーカーやプレーヤーとかは
持っていないけど
イヤホンで音楽を聴く人が何割
…とか聞いた気が。

福山雅治が
「曲を作るときはイヤホンで聴いて
心地いいように意識している」
と言ってたのに、妙に納得する。

リハの時に、
配信の音を自分でチェックする…と言うのは
今後の教訓かな。

一方ではマイケル・ジャクソンが
「イヤーモニターが嫌い。
耳で聴いて反応するように育てられてる。」
と言うのにも、とても共感する。

「音」っていう目に見えない、
得体の知れないものは
要するに「空気」で、
「空気がキレイで美味しい」とか
「マイナスイオンが云々」みたいに
出す側からしたら
美味しく吸って
いっぱい浴びて欲しいんだと思う。

だから、
基本的には音を
「空気中に放つ」イメージを持っている。
そこが、
一番失いたくない感覚かも知れない。

ドイツ語に”loslassen”と言う、
「解き放つ」みたいな意味の言葉があるけど
そんな感じかな。

その、空気中に「放たれたもの」を
凝縮するのか
凍結するのか
ちょっと色やカタチを変えてみるのか。
あー、濃縮還元のジュースみたいな感じ?笑

録音とか
ライヴ映像の面白いところ、価値っていうのは
そんなところかな??と思いつつ。

…そんな訳で
リハーサルの話のはずが
ライヴと「録音」「配信」みたいな
話になった。
今回感じるべきは
自分でもそこだったし。

ライヴと録音と、
リハーサルと本番と
いろんなところを行ったり来たりして
「上昇」できればいいんじゃない?
…って思う訳なのでございます。

それでは、また!
仲村真貴子