音楽と色彩

こんにちは。仲村真貴子です。

「音楽家が大変なことは何か?」
と訊かれたら。
あなたは何と答える??

仕事がないこと?
お金がないこと?
体が資本??

仕事がないなら、
自分で作って売ればいい…
と、今なら薄々思っているけれど。

その「前」のことが、
いちばん大変なことだと思っている。

つまり、
「こんなんでいいのかな?」
「コレ、本当にいいのかな?」
「価値ってあるのかな?」
と思ってしまうこと。

最近、よく言われる
「自己肯定感」とか、
「自己評価」と言ったものは、
そろそろ
「わかったよ、うるさいなぁ。」
と思っているけれど、
まぁそういうことなのだと思う。

…と、言うよりも。
本当は、クオリティの高さを求めたい、
それだけかも知れない。

恐れずに言えば、
例えばピアノを教えたり、
リサイタルをするのに、
別に「ワールドクラスのピアニスト」
である必要はない訳で。

でも、
自分がもしも習うなら、
やっぱり弾ける人がいいし、
何だったら「ワールドクラス」がいい…
とか思うとき。

「ワールド」で「スーパー」ではない自分に
全く価値がない…
とか思い始めるのが、
音楽家の大変なところかな。

下手くそな自分に、価値はない…とか思うと、
モノは言えないし、
お金は稼げないし、
詐欺師のように感じるし。

一方でそれができてしまう人を見ると、
余計にちょっと悲しかったり、
何だか恥ずかしくなったりもする。
他人とか、関係ないはずなんだけど。

行き詰まったり、
体調や手の調子があんまりよくない時に、
定期的にこのツボにはハマる。
今も絶えず、
「あんな練習の仕方、しなければよかった…」
と思っていたりする。

ドイツにいたときは、
そんな私を見てJussowが言ってた。
「自分が弾いても弾かなくても、
別に世の中は変わらない。
でも、自分が弾かないと生きていけないと思うなら、
弾いたらいい。」
…師匠とも友達ともつかない、
2つ年上の「先生」は、
とんでもなく偉大に思えた。
それでも、
私はちょっとバルセロナに逃亡したけど。(笑)

ある時は、ドイツ語の先生に、
こんなことを。
「青と黄色に、
どっちが偉いとか、ないでしょ?
どうして違う人と比べるの?」
…ふーん、まぁそうか…と思ったけど。
理解しないままに、
何となく記憶には残ってはいた。

先日、メイクとか服装の相談のために
とある方にお会いして。
「黄色は、似合う人に任せればいい。
そのかわり、青は任せて!って。」

…あれ?どっかで聞いた話。
そして、今度は何だかスッキリした。

色の話は、結構好き。
それに、音楽に行き詰まった時は
「他のもの」に助けられるみたい。

色に関して言えば、
優越とかじゃなくて
「違う」だけだから。
それが、わかりやすいかもね。

コレがピアノになってしまうと、
手が小さくても
チャイコン弾きたいです!
…とか言いたくなるし。
「それを、得意な人に任せて…」
とは言いにくいんだけど、
まぁなんかそういうことね、って思う。

「ピアニスト」って
ピアノが上手い人のことだし、
自分の職業がそうなら、
私はスーパーになりたいけど。

困ったり悩んだりしたら
「色」のこと思い出すと
なんか助けてもらえるかも。

…なーんてね。

それでは、また!
仲村真貴子

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