「ボエーム」に思うこと

こんにちは。仲村真貴子です。

昨日は、新国立劇場の「ラ・ボエーム」へ。

人気の有名な作品。
私ももちろん、その魅力に取り憑かれています。

…でも、それは、自分が弾くようになってからかな。
当初、実はしばらくの間あまり好きではなかった。

今だったら、死ぬほど観たいかも知れない
アルヴァレス&フリットリの組み合わせで
聴いた時ですらも、
あまり好きではなかった…。

キャラクターとして、
女が惹かれる女は「ムゼッタ」ですよね。
本当は、いい娘なのよ!
意気がってるところはあるけどもさ。
ミミは…したたかよね。
「春になったら別れよう」とか、
許せない。
(…え、実際はどうなんだ?笑)
薄幸のヒロインに、申し訳ございませんね…。
でも、歌い手だったら、夢にまで見る役かも知れない。

…おっと、ここが落とし穴。

「オペラ」って、
話とかキャラクターとかめちゃくちゃなのに、
それでも登場人物の「キャラクター」のイメージが
どうしても強いんですよね。
そこが、もしかしたらボエームの落とし穴かも知れない。

ピアノで弾くと、楽しいけれど
絡みがないとちょっとつまらないんですよね。(笑)
オケの友達も、
結構トリッキーで弾きにくい!と言っていた記憶が。

でも、弾いてみると
「よくできてる」のが
本当によくわかる。

プッチーニがよく使う、
「連続5度」。禁則です。
でも、効果的。
3幕の冒頭とか。
タダごとではないらしい感の演出。
「トスカ」でも、バタフライなんかでもよく出てくる。

あとは、アンサンブルの巧みさ。
3幕の終わりは、毎回すごいな…と思いますね。
2組のカップルが、
同時並行的に別の曲を歌ってる感じなのに、
1つの曲。
それと、重唱だと線のうねりに特徴がある感じがしました。
「ハモリ」というより「うねり」。
互いに、「うねる」。

よく言われるプッチーニの特徴は
「異国感」。
これは、ドビュッシーに言われるような
時代の流れもあるかも知れませんが。
行ったことがないはずなのに、
中国っぽさとか、
日本っぽさとか、
その辺りがすごい。
その他、パリとか、アメリカとか。
もちろんイタリアも登場するけれど、
場所が結構いろいろ。
それが、音楽に出ているのが、スゴい。

「ハモリ」ではなく、
「うねり」とするならば。

オーケストラも「歌う」ことが
求められるような…そんな気もしました。

ピアノだと全部の音は弾けないし。
オケの音が鳴る、ちょっとした「ズレ」みたいのが
欲しい時も、
ピアノだとちょっと難しいんですよねー。
だから羨ましい。

…なんか
「プッチーニのココがすごい話!」
みたいになってしまった。(笑)

オペラも
まず「音楽ありき」と考えると、
作品の見え方が変わってくるかも知れません。

…ワタクシの、こよなく愛する動画。
「ボエーム」の、4幕冒頭の二重唱。
未練たらしい男の歌ってヤツが好きで、
この曲とて例外なく。
パヴァロッティにドミンゴが共に「うねる」という、
超高級宴会芸。
最後の、拍手を送るフレー二の姿も、
お見逃しなく。
ステキなシーンです。

それでは、また!
仲村真貴子

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