おうたのおはなし4〜いつもやっていること〜

こんにちは。仲村真貴子です。

来年1月13日に配信を主体とした
演奏会に出演予定です。
歌い手2人との演奏会ということで
楽しみ。

…という訳で、歌ネタです。

今年は「演奏会」というよりも
「書くこと」
「作ること」
ぐりぐらぐりぐら…
という感じで、
食べる前に飲む!
じゃなかった、
弾くよりも書く!

…という感じでした。

「弾く前に書く」

そんな訳で。

私が必ず歌い手と一緒に演奏する前に
準備していることは
まずは「歌詞を書いてみること」。

自作の歌詞じゃないですよ。笑
その、歌の歌詞です。
それを、そのままノートとか紙に
ペンで書いてみる。

1つ気をつけていることは
その詩の「形式」の通りに書くこと。
段落や改行を、そのまま書く。
変なところで改行したり
書けるところまで
1行に書いたりしない…
っていうことです。

歌曲だったら楽譜の最初や最後に
歌詞が載っていたり、
オペラでも対訳本やたまにネットも使っていますが
それをそのまま手書きで書きます。

あの、古文とか英語で習ったの、
あの感じで行きましょう。
2行空けて、
その上下に注釈が書き込めるスタイルです。

書いたら、
自分でざっくり言葉を調べます。

訳されたものを読むのもいいし、
学生の頃は試験の伴奏を頼まれると
楽譜と一緒に対訳をもらったことも
ありました。

学生当時は、曲の内容よりも
「とにかく人と一緒に演奏する、
量をこなしたい!!」
という思いが強くて、
内容的にはイマイチだったかな…
と思うのは、反省するところ。
それと、
そこそこ曲を知っていて
そこそこ初見ができた、というのは
アダだったかも。
まぁそれも経験です。

自分で歌詞を書いて、
自分で意味を調べるようになったのは
ドイツにいる頃から。

週20時間くらい歌の伴奏してたんですよ。笑
週の予定が
5時間、
5時間、
6時間、
6時間、とか。笑

それで、
定期的に本番とかあって、
何か誰の本番だ?みたいな量で。。。
門下の演奏会なのに、
マキコのピアノに
みんなが歌で参加してくれるのー☆
みたいなことになる訳ですよ。笑

練習したスペイン歌曲を、
直前に移調して!みたいなこととかあって
たまにブチギレつつも、
楽しかったんですが。。。

「…この量を、内容を知らずに弾いている…」

その事実が、
無責任で怖くなった。

別に誰かから文句言われた訳でもないし、
弾ける分には弾けるんですが。

それからかな、紙に自分で書くようになったの。

オペラを一本やっていた時は
モーツァルトの「コジ・ファン・トゥッテ」全部を
夏の集中講義中に
楽譜に対訳を書き込んだ!!
なんてこともやりました。
(…ちなみに「教育心理学」でした。
授業も役に立ってるし、レポートの成績もよかった。笑)

でも、
楽譜に日本語訳を書き込むのは
あまり好きじゃない。
何か、感覚が日本語になっちゃうんですよね。。
それに、
弾いている時に日本語訳を見るのは
演奏以外のことに
気を取られる感じがします。

だから、
別の紙に書いて、ざっくり頭に入れる。
書くと、記憶は定着するし。
文法的には
英仏独伊西は大雑把に頭に入っているので
意味を調べる。
丁寧な日本語の文にはしないけど、
内容が
「うんうん、こんな感じね」
とわかれば、OK。

野原の日が差しているところに
ちょうちょが飛んでいて
その景色を君と一緒に見たねぇ
ここの右手、ちょうちょな感じね。
…あー、はいはい。

みたいな流れ。
(…上の描写は、テキトーです。笑)

キレイな日本語にするのは
別の作業なので、
ここではあんまりやりません。

その代わり、
単語を調べるついでに
発音記号で発音はチェックします。

これは、いわゆるコレペティのように
歌手を指導するため、
というよりも
自分が一緒に演奏する上での下準備。

本番で自由に気持ちよく、
いい意味で
「好きにしていいよ、
私も好きにするよ。」
となるには、
やっぱり手間暇かけることは
大事だと思う訳です。

…と、言っても。

紙に歌詞を書いて、
辞書で単語と発音を調べるなら
1曲につき1時間もあればできます。

今は、これをやらないと
何だかちょっとキモチワルイので。
そろそろやらないとね!!
そして、
やってみてね!!!

というお話でした。

それでは、また!
仲村真貴子