こんばんは。仲村真貴子です。
音源の整理をしていて、唯一見つけた、留学中のレッスンの録音。
すごく懐かしかったから、やはりレッスン中の録音はしておくべきだった…と、ほんの一瞬は思ったけれど、録音が無いのは私の習慣によるもの。
レッスンで録音を、「する」か「しない」か。
これについては、意見が分かれるところだと思う。
私はレッスンの録音は「しない派」として育っている。
そして、それでよかったかな、と思っている。
小さい頃からの習慣だから。
なぜか?というと、
「小さいから」
である。(笑)
小さい頃、それこそピアノを始める3~4歳のころ。
本人も親も真面目なら、「録音してちゃんと復習を」と考える人も多いはず。でも、私はそれをやったことがない。もしかしたら、禁止だったかもしれない。
小さいときに「レッスンを録音して後で復習を」してしまうと、「録音してあるなら後で聴けばいいや」となって、レッスン中の集中力がなくなるから。というのが理由だった。これには、今となるとごもっともだなぁと思う。レッスンではとにかく、出来ること感じたこと全部持って帰ること。おかげで、集中力と記憶力は鍛えられたような気がする。
似たような理由で、レッスン中に私は自分で先生が言ったことを楽譜に書き込む習慣がなかった。ドイツに行くまでは本当に、レッスン中に鉛筆を持ったことがない。(…伴奏で付いていったときは別だけど笑)ドイツではやっぱり外国語なのと、レッスンが2時間で情報量が多くてついていけなかったから…というのが正直な理由だけど、「書きに来てるんじゃなくて、弾きに来てるんでしょ。」と言われたことがあって、要するにそういうことだ。
経験上、私が出会ってきたピアニストたちは、レッスンの録音に関してあまり肯定的ではなかった。「別にいいけど…大事なのは後で録音を聴いて復習することよりも『今』だよ。」と。習慣は疑って変えるべきかな?と思って、録音機を手にレッスンに行ったこともあったけど、結局たったの1回だけでスイッチをなぜか押すことが出来ず終わってしまった。
レッスンの時間は、復習のための録音のためでもなければ、メモを取るためでもない。弾いて、反応して、その時間に集中して全てをかけること。
録音を使って全てを完璧にすることも一理あるけれど、自分がちゃんと覚えている「大切なこと」だけでも物にしようとすること。きっと、ピアノのレッスンに限らず大切なことなんじゃないかな。
それでは、また!
仲村真貴子
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