外国にまつわる、よもやま話14〜師匠に怒られた話〜

こんにちは。仲村真貴子です。

師匠との思い出話。

書き始めると、
尽きないものですね。

けれど、
懐かしい「思い出話として」
というよりも、
彼らが何を言いたかったのか。
私が何を得たのか。
では、私が伝えたいことは
何だろう…??
そんなことを探ろう、
と思っています。

Pistoriusは、
いわゆる「怖い先生」では
全くないけれど、
全てお見通しだし
「自分でちゃんと考えてね」
という点においては
ある意味めちゃくちゃ厳しい…
とも言える。

そんな師匠にも
本気で怒られたことが
3回ほどあります。
(…もちろん、
お小言はちょこちょこあった。笑)

そしてそれは、
直接的に
「弾けていないから
帰れ!!」
という類のことではなく、
実際には直接的に
「弾くことについて」
ではありませんでした。

さて。

修士課程のレッスンは1回2時間ですが、
30分ちょっとで
「帰れ!」
と言われたことがあります。(笑)

特にこのご時世ならば
生々しい話かもしれません。

体調を崩す時、
特に私は咳が止まらなくなることが
割と多い。
はじめは風邪が理由だけれど、
ストレスも影響するのか
熱はないのに長引いてしまう。

ヨーロッパだと、
薬も菌も強いのか、
はたまた乾燥した空気のせいか
結構酷い風邪を引くことが
多かったんです。

ドイツに住んで半年が過ぎた12月に
流行っていた酷い風邪を引いてしまい、
全く声が出なくなりました。
1週間ほど。
本当に、全く。
声帯が全くくっつかず、
うがいすらもできない。

熱はないからピアノは弾けるし、
クラスの演奏会の本番前だから
普通にレッスンに行ったんです。

そしたら。

「お前が来るところは
ここではない。」

…北斗の拳か?!笑
という心のツッコミは通じず、
取り敢えず短いハイドンのソナタを
一応弾いたのちに

「帰れ。」と。

えーーー、
怒られるの、
そこーーー???

当時の私にしたら
体調が悪いのを無理して来たのに
ナゼ怒る?
と言いたい訳ですが、
ここの感覚はドイツ人は
かなり厳しい。

日本だったら、
体調が悪い、
怪我をしているのに
無理をする、
やり遂げるのは
ある意味「美徳」ですよね。

このご時世、
少し変わって来たとは思いますが。

ドイツだと、
体調が悪いならば
「休まなければならない」
「遷しに来てはいけない」
こう言った感覚です。

「風邪を引いたときに
無理をするのは間違ってる。
3日休んで弾けないから、何?
無理をしたら、
調子が悪い状態が長引くだけ。
譜読みも速いんだし、
レッスンじゃなくて
医者にでも行くべき。
今日、ここに来るのは
間違ってる。」

…こういう時だけ
譜読みの速さを褒めてくれなくても
いいんですけどね。(笑)

そんな訳で。

高麗人参の飴を頂き、
追い返されました。

ドイツの滞在許可を取得するには
必ず健康保険に加入することが条件で、
保険料は結構高いですが
それ以外は基本的にはほとんどタダで
高水準の医療が受けられます。

外国で医者なんて…
とも思うのですが、
保険料ももったいないし、
言葉以前に声が出ないなら
どうせ意志の疎通に問題はあるし(笑)、
結構医者のお世話になったことはあります。

よく言われる、
ドイツで医者に行っても
薬じゃなくて「お茶」を
処方されて終わる…
という話。

私、コレ
都市伝説じゃないか?!
と思ってます。(笑)

つまり。
お茶を処方されたことなんて、
ない。
いつもちゃんと、
抗生物質でした。

勉強も、
生活も、
音楽も、
健康な体があってこそ。
「無理をする」という美徳は
間違ってるよ…

ピアノのレッスンとは、
健康の大切さすらも
教えることのようですね。(笑)

…と言っては、
ちょっと笑える冗談にし過ぎですが。
それ位、衝撃的に怒られた
出来事でした。

月並ですが
お体を大切にお過ごしくださいね。

それでは、また!
仲村真貴子

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