外国にまつわる、よもやま話12〜入試の謎〜

こんにちは。仲村真貴子です。

外国の学校における
入試の「謎」。

…入試なんて
日本だって「謎」だけれど、
やっぱり「謎」な部分が
日本とは少々違います。

私が受験した当時の芸大は
・バッハの平均律1曲
・ショパンの練習曲2曲
(…演奏するのは当日の抽選で1曲)
・古典派のソナタ1曲全楽章
・ロマン派の曲1曲以上
・近・現代の曲1曲以上
(…ロマン派+近・現代で15分以上の
プログラム)
…ざっとこんな感じですが、
曲に関しては外国とさほど大きな差は
ありません。

練習曲はショパン1曲と
他の作曲家のもの1曲、
何でもいいから練習曲1曲、
バッハは平均律に拘らない、
時代が4つあればいい…
などなど、若干の違いはあれど
大体こんな感じ。

曲目も、
出願時に「一応」出す場合、
必要ない場合。
当日、紙を持参する、
当日、提出する、
「やっぱりこっちがいいので
これ弾きます」
…こんなのも、アリ。(笑)

最初の曲目は
「好きなものからどうぞ」
となることがほとんど。

ただし。
外国の入試。

びっくりするほど
「弾かない」。

もう、
一発芸か、
何かのCMか?と思うほど。

ちなみに
私のMannheimでの入試の場合。

ブラームス:
シューマンの主題による変奏曲
(…第3ヴァリエーションまで。
本当は全部で14。)
ベートーヴェン:
「熱情」
(…1楽章の展開部入ったところまで。
要するに3ページちょっと。)
ラヴェル:
オンディーヌ
(…3ページ。笑)

…こんな感じ。(笑)

トータル5分?
7分は弾いてないよね?
という感じ。

修士課程の上の課程にあたる
ソリスト科の入試の際は…

ブラームス:
ソナタ3番
(…1楽章3ページ、
3楽章2ページ)
バッハ:
トッカータ ハ短調
…フーガから!!!
曲の途中から!!!!

…こんな具合です。

弾く時間が短いのは
私が受験した学校は
大体そうでしたが。

途中から弾かされる場合も
あります!!!

一方で
確かミュンスターだったかな?
1人40分くらいのプログラムを
全部聴く!
という、レアなところもあるそう。

何があるのかワカらないのが
入試!!!
…っということに関しては、
万国共通のようです。

ちなみに、
よく質問される
「先生とのコンタクトがあれば
その学校に入れるの?」
という、コレ。

おそらく、
いろんなパターンが
あるとは思うのです。

どちらかと言えば、
私みたいに
受けまくって、
たまたま拾って頂いた…
というのは、
レアなケースかも。

でも、
コンタクトがあったからって、
入れることにはなりません。
経験上から。

あるいは、
事前にコンタクト、
先生のレッスンを受けることで
厳しく言えば
先生の側が
「取らないことを決める」
場合も見受けられる。
これは、入ったあとで感じたことですが…。

縁とか、コネなのか、
当日の出来なのか、
はたまた空き人数の都合か、
その辺りは
「神のみぞ知る」
という、説明がつかないところ、
また日本と違った難しさが
あるかな?
と言ったところです。

日本のように
定員◯名、
何点以上、
という基準は
ある面でわかりやすく
公平かもしれません。

けれど。
いずれにせよ
動いた先に、
きっといいご縁があるはずです。

誰がPistoriusだか
全く知らずに終わった入試でしたが。

いちばんよかったのは
「ラヴェルだった」
と言われてひっくり返りそうになった、
その師匠との思い出話は、
また次に。

それでは、また!
仲村真貴子

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