おうたのおはなし2〜まずは見よ、そして弾け!〜

こんにちは。仲村真貴子です。

…初めて歌い手と一緒に演奏したのは
高校生の時なんですが
ルーツはそれよりも「前」にあると思うのです。

ルーツっていうか「基礎」的なこと。

いわゆる音楽大学の試験なんかには
「実技」だけではなく
「理論」的なこと、
つまり「筆記試験」も課されています。

例えば「運転免許」を取得しようとする時。
運転技能だけではなく
座学の授業と「筆記試験」がありますよね?
それと似た様な感じです。

音楽関係の「筆記試験」…
短い曲の書き取りや、
楽語(…楽譜に書いてある指示や記号。
大半はイタリア語)とか
短い曲をすぐ見て歌う、
楽曲の構造、和音、調性を読み取る、
音楽全般の知識や構成などが
主な内容。

ご存知「運転免許」。
運転技能だけ学んでもちょっと危ない、
標識、速度制限、ルールなんかを
覚えるのは
「運転技能」の向上と安全のため。

音楽の、
いわゆる「理論的な部分」は
同じく「よりよい演奏のため」
にあります。

…まぁ、結びついてないことも
多いけどね。笑
そこは匙加減と経験と力量…
と、大雑把にしておきましょう。

ピアノのレッスンの中でも
学べる部分は多いけど。
…そうすると、
1回のレッスン3時間とか、なるかなぁ。笑
ピアノと「ソルフェージュ」のレッスン
合わせて3時間!!
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とか、やろうかしら。

そんな訳で「ソルフェージュ」です。

両親、音楽家ではない我が家。
この聞き慣れない単語に
当初は

「はぁ??」

ってなってました。笑

ソルフェージュって単語はフランス語
なんですが、
まぁ音楽理論に関わる事柄の総称ですかね。
直接的な「演奏実技」よりも
その向上のための「理論」を重点に
置いたものです。

ワタクシ、3歳からピアノを始めまして。
4歳の時に「ちょっと習ってみない?」
と言われて
出稽古に来ていた当時某G大の大学院に
在籍していた先生に習い始めます。

「ちゃんとやるなら
ソルフェージュ習った方が
いいんじゃない?」

と言われて、
言われるがままに
その先生のお友達、
当時作曲科の学生のち指揮者になる人に
習い始めます。

当時5歳。

ピアノ習い始めたばっかりだったのに
突如ユニークなオトナたちに囲まれて
まぁマトモに育つわけがないですね。笑
怪しい世界に足を突っ込んだモンです。

その、ソルなんとかをやり始めて
リズム読み
簡単な旋律(8小節とかの短いヤツ)に
伴奏を付けてみる、
調を変えてみる、
歌ってみる、
弾きながら歌ってみる…
なんていうことをやっておりました。

「音当てゲーム」と称した
「絶対音感」を身につけたのも
この頃ですね。
リトミックの発展形…
と、言えなくもないけど
それよりもガチなレッスン。
とか言うと「英才教育」感丸出しですが
本人結構楽しかったですね。
ある意味では、
「ピアノを弾くこと」自体よりも
進歩が速く感じられたから。
「進歩」が速くなるために
量をこなすことを重点に置いていたことも
あると思います。

もう1つ課題としてやっていたことが
「連弾」。

おそらくは
「人と一緒に演奏すること」の
原点は、コレです。

レッスンで毎回数曲、
先生と連弾。

連弾と言えば特に子供のための曲とか
教育目的に書かれた曲は
第1ピアノ、要するに旋律を弾く側が
単純に「弾く」意味では簡単なことが多く、
ぱっと見て、一瞬で難しい方を弾けちゃう先生は
当時、天才か?!
とか思ったものでした。

この、「パッと見て一瞬で弾ける」技術。

一瞬で弾ける魔法…
とかではなくて、
「最初に何を見るのか?」
ってことです。

そこを意識すると
仕上がるスピードが上がる訳ですね。

…とか、説明っぽく書いてるんですが。
実は私。
これが苦手だったんですよ…。

結構慎重で、
全部キッチリやらないとイヤ!
みたいなところがあって、
間違えたり
気に入らないところがあったら
全部最初っからやり直さないと
気が済まない…
みたいなところがありまして。。

あるいは、
弾いている側から
「あそこがちょっと…」とか
反省しちゃったりする。

真面目なのはいいこと、
と言いたいけど
発表会で10万回とか弾き直すワケには
いかないのでして。
100m走の大会本番で
「スタートが気に入らない」って
もう一回やる人見たことがない。

連弾で「相手」がいると
流れは止まらずに流れていくので
止まったり弾き直したりせずに、済む。

「人と演奏すること」の出発点は
弱点克服のための産物だったワケなんです。
矯正と強制。

だから、「楽しかった」けど
かなり「トレーニング」的な要素も
強かったですね。
それ位苦手だった。

その、コツとしては
「最初に何を見るか?」。
着眼点のポイントは、何か?
第一印象は、何か?
ってことですね。

「人」と初めて会った時に
「目がパッチリした人」
「声がいい人」
「話す時の口癖」
とか、印象に残ることって
ありますよね?
それと同じことです。

最初に必ず見るのは
・拍子
・調号、調性
・タイトルと速度表示

まずコレ。

あまり推奨はしませんが
最近はもう、
これしか見る余裕がない!
ってことも、結構あります。

でも、それ位大事。
というか、
別に初見でもそうでなくても
この3つの感覚は
頭の片隅に置いておく、
手元にいつも持っているもの。

そのほかに見ることは
・目に見える曲の特徴。

コレです。

「連打が多い」
「伴奏のカタチがドソミソ」
「臨時記号が多い」
「難しいのはここら辺」
「付点の音型」

とか、まあ大雑把なところです。
超ざっくりです。
目はパッチリか、鼻は高いか、
先ずはそれ位なモンです。

ちなみに私は最初に
「難しいところ」を探します。

難しいところ、
要するに音が多かったり
シャープとかフラットとか
多くてめんどくさそうなところ。笑

ここは、大きなヒントになります。

難しいところが「弾ける」速さで弾くと
割とうまくいくことが多いです。

「難しいところ」だけをゆっくり弾くと
「弾けないからゆっくりしたな!!」
みたいになっちゃうじゃん?
それー、あんまり好ましくないのよ。

あるいは、
練習のプランが立てやすい。
難しいところを、分解してみる、
どうさらったらいいのか、考える、
前後の流れは?
…あ、実は別にそんなに難しくないじゃんね?
とか。

…「おうたのおはなし」っていうか
下準備の話、
目の付け所の話になってしまいましたが。

私の「おうたのおはなし」の原点は
弱点から克服の産物であった訳でございますが。

その極意はつまるところ、
「まずは見よ!
そして、弾け!!」

というお話でした。

それもちょっとうまくいかない時は
人に助けてもらいましょうー。

大丈夫。
空いてますよ。笑

それでは、また!
仲村真貴子