おうたのおはなし5〜ピアノの音はデカい?!〜

こんにちは。仲村真貴子です。

みなさん。

ピアノの音って、デカいんですよ。笑

知ってました?!

なので、
お歌と一緒に演奏するとき
弾き歌いをする時
他の楽器の人と演奏するときは
音量を控えめにしましょうね!!

…とか言っちゃうと即物的で
話は速いんですが。
そういうことを言いたい訳じゃないんですね。。

「はいはい。
控えめに弾けばいいんでしょ!!」

そう言うのは、ちと困る。笑

「ナゼ、ピアノの音はデカいのか?!」

考えたこと、ありますか?
そんな話をしたい訳です。

いわゆる「グランドピアノ」と言うのは
今でこそハイスペック、高機能・高性能な
マシーンですが。

例えばベートーヴェンの時代なんかは
今の形と全く違う訳ですね。

ペリーさんが黒船に乗って
「カイコクしてク〜ダサイ!!」
と言うよりもはるか昔に
ベートーヴェンが
「ケンバンフヤシテク〜ダサイ!!」
と言ったかどうかは知りませんが、
とにかく鍵盤とか少なかった訳ですね。

今の楽器が88鍵、7オクターヴと3音
それに対して
ベートーヴェンの頃は5オクターヴとか
だった訳ですね。

単に鍵盤の数だけでなく
随分華奢というか、簡素と言うか、
素朴というか。。
ペダルがたくさんあったり、
場所によって楽器の個体差やアクションの
違いがあったり、色々なんですが
総じてピアノと言う楽器は
今の楽器のような
「頑丈」で
「巨大」なものではなかった。

ちなみに、
ヴァイオリンはあのストラディバリウスが
とっくの昔に完成していたことを考えると
「ピアノ」と言う楽器は
意外に現在のカタチになったのが
新しいことがお分かり頂けるかと。
加えて、
「ピアノ」と言う楽器の地位も
あんまり高くはなかった訳ですね。

そんな訳で
そもそもピアノと言うのは
「音量があまり鳴らない楽器だった」。

「楽器」と言う側面からしたら
当時と大きく違う現在のピアノでも
「通用する」と言う意味で
ベートーヴェンは普遍なのかもしれません。

一方で、
「鳴らない楽器」のつもりで書かれているから
その調子で弾くと
「音がデカい」んです。笑
これが難しさの、1つ。

でも、結局は
そのことを
「どう感じて」
「どうするのか?」
と言うことにかかってくる。
要は、
「控えめに弾きましょう」
っていう、一言なんかではなく
そこに感覚を研ぎ澄ませて
いい味に仕立てる!
ってことだと思います。

ちなみに、
特に低弦は巻弦を使うようになってから、
あるいは金属のフレームが
組み込まれるようになってから
張力が強くなり
遥かに音量が増えました。

「左手が大きく聞こえる」

と言うのは、
手の都合に加えて
ピアノの構造上の理由があるかと。

よって。

動きにくい左手は
右手の倍くらい
練習しましょうね!!

…と言う、
小言を挟んでおいて。笑

「音が大きくなる」

と言う現象は、
単に余裕がないから
弾くのに必死、
相手の音を聴く余裕、
聴くっていうか
感じる余裕がないんだと
思います。

みんな
「余裕」とか
「自由」とか言うものを
手に入れるために
苦労するんですよ。
ピアノの話だけじゃないですよ。笑

つまり。

人と一緒にやるならば
まずは「自分のことは、余裕!」って言う
責任感は大事。

迷惑かけるし
足引っ張る…
ってのもそうだし
自分の弾く音「以外」に
音があったら
釣られちゃったり
わかんなくなったりするでしょ。

自分のパートを弾きながら
「相手のパート」が
同時進行でイメージできるか。
同時に音が鳴るか。

私はこれをバロメーターに
しています。

まぁ正直、
私は伴奏の時に
超音が小さい!!
って感じではないと思うんですが。

相手の音を
「聞いて合わせる」
って言うよりも
「空気を感じて共有する」って
イメージかな。

そうすると
自ずと音量がデカいとか小さいって
話ではなくなってるはずなんですね。
それが、理想。
っていうか、
そうじゃないと
あんまり意味がないかな…。

願わくば、
場をお膳立てするって言うか
大きなシャボン玉を
自在に扱えるような感覚があると
いいな…
と思っています。

だから、
弾くのに余裕がないと
ダメなのよ。
練習よ!!

…と言うお話でした。笑

自分のやることに責任を持つこと。
相手が何をやっているのかを知ること。

それは、
とっても大事なことです。

それでは、また!
仲村真貴子