11月22日 リサイタルに寄せて 〜その10 「モーツァルトとゼクエンツ」〜

こんばんは。仲村真貴子です。

最近、ピアノに向かうよりもパソコンに向かっている時間の方が長いことも多いが、理由は「モーツァルトにハマっているから」かも知れない。

元々モーツァルトは大好き、やっぱりオペラが好き。
たまにミサ曲。
コンチェルトも大好き。
けれど、自分がピアノを弾くからか、進んでピアノコンチェルトを聴くことは、あまりない。他人の演奏を聴くのは「お勉強」な感じがして、窮屈な気がするからだと思う。まぁ、「逃げ」かな。

でも、今回はだいぶ様子がおかしい。(笑)
今現在、モーツァルトのピアノコンチェルトにどハマりしていて、ほぼエンドレス・モーツァルト状態。たまにミスチルと宇多田ヒカル聴いて、そのうち病み始めてきたら、X JAPAN聴いて大泣きしたりすると思う。(笑)

聴いているモーツァルトも、何だか限定的。
12番 A-dur
13番 C-dur
21番 C-dur
23番 A-dur
たまに「戴冠式」とか、27番のB-durとか。
調性の話は大好き。
イ長調とハ長調…ピンク色と、白とか透明とか光とか。
そんなものを求めているかもしれない。
ちなみに、ピアニストはアシュケナージとバレンボイムと、ルービンシュタイン。

モーツァルトの好きなところと言えば??

ズバリ「偽終止」と「ゼクエンツ」。

「偽終止」とは、文字通り「偽りの終止」。
明るく終わる、と見せかけて、ちょっと悲しげな和声で陰った色をつける。
これが最高にココロにくくて、最高に切ない。
「キュン」とするヤツのこと。(笑)

「ゼクエンツ」とは、同じ音型で下降する和声進行のこと。
モーツァルトでも「オペラ」だとあまり登場しない音型な気もするから、楽器が表情を変えるのに適しているのかもしれない。

…要は、「モーツァルト」と言うよりも、
求めているものは「ゼクエンツ」か??

「ゼクエンツ」については、言って見ればつなぎの部分で、内容的にはさしたる意味を持たないことが多いと思う。それに、多用する作曲家と、そうでもない作曲家に分かれるような気もする。ベートーヴェンは、あまり使っていないような。元はといえば、バッハに端を発するかもしれない。小さい頃から「ゼクエンツ」が好きすぎて、インベンションなんかにはたくさん登場するのを覚えている。大分、変態性が強い話になってきた。(笑)もう、ゼクエンツに関する動画でも作ろうかしら…。

今回のプログラムで、目立ったゼクエンツが登場するのは、
「スクリャービン」と「ショパン」。

実は以前、ショパンに登場するゼクエンツを早くバッチリハマるようにしたくて、一発で手首を痛めた。小指があと3ミリでもいいから長ければ…とも思ったり。好きならば、上手く弾け!と突っ込んだり。(笑)相手がゼクエンツでも、恋い焦がれると火傷する。

ショパンのバラード 第3番に登場するゼクエンツの部分

「ゼクエンツが好きで…」と言うと、
「大分ヤバイね!!」と言う反応が非常に楽しいのだけれど。

ある人に
「こう言うの、最高に楽しいじゃない?」
と言われて、
なんか好きな人を言い当てられたような、
非常に気恥ずかしい気分になったことを、ここに白状いたします。(笑)

「ゼクエンツ、最高。」

それでは、また!

仲村真貴子
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