音楽と色彩〜色と質感〜

こんにちは。仲村真貴子です。

色と「質感」。

普段から、
ファッション誌を読み漁り
服装には人一倍気を…
遣っている訳では全くないのだけど。(苦笑)

服に関して
口うるさくなる瞬間といえば
本番のドレスを選ぶ時かも知れません。

安い買い物ではないから…
という理由もあるだろうけど。

この色が「似合うか?」
というよりも。

着た時にテンションが上がるか、
着て弾いている自分が想像つくか、
曲に合うか?
…そんなことを考えている気がしますね。

その他。
音がする素材だから気になる、
ラメが手に着くからイヤ、
スパンコールが引っかかる、
重めの素材の方が落ち着くかな…。

この辺りが
「デザイン」というよりも
「質感」という話になるかも知れません。

スケート選手の衣装作りのシーンなんかを
見ていると。
ジャンプの時に長さが…
スパンコールが…
肩が落ちるのが…
なんて言葉も聞きますが、
似たようなものかも知れません。

…そんな話をすると
「アスリートっぽい」と言われるけど
どうなんでしょうかね…。

質感。
手触り。

演奏する時に
「色」をイメージする、
というのは、
演奏する人ならば
よくあることかも知れません。

でも、
色だけではある意味単一的で
もっと、何か、こう…
とか思うときに出てくるのが
「質感」とか
「香り」とか。
そこから風景や物語に広がったりする。

例えば、
受験の頃によく弾いていた
ブラームスの
「シューマンの主題による変奏曲」。

嬰へ短調で♯は3つ。

この調の持つ色のイメージは
赤紫とか、ワインレッドとか、
プラムとか。
今風に言ったら、バーガンディーとか?
情熱的な強さと、品の良さがあるかな、と。
激しいところは、
ありつつもちょっと抑えられた感じ。

モーツァルトの23番のコンチェルトの
第2楽章なんかも、そう。
あのイメージでしょうかね。

変奏曲を弾く時に
いつも「質感」とか
当たる「光」なんかを
イメージしていました。

赤紫で「ブラームス」だと、
なんか重くなりそうだから。

例えば、
赤ワインのような色。
色の主張はあるけれど、
透き通っていて、揺れる感じ。
暖炉の火が当たると、
光る感じ。

ある場面では、
上質なビロードのような。
重さもあるけど光沢があって
肌触りがいい。

あ、「肌触り」って
結構気にするかも知れない。
ドレスもそうだけど、
鍵盤とか。
手に馴染むかどうか。(笑)

「音」って、
目に見えないし、
消えてしまうし、
掴めないものだから。

反対に、
目に見えて、
残って、
手で掴めるもので
イメージを作っているのかも。

「香り」というのも
目に見えないので。
その点は「音」に近い。
けれど、香りっていうのは
その、同じ空間に居合わせないと
感じられないものだから。
その意味で「音」よりも
もっと距離が近いものであるかも。

音が「香るように」と思うことも
あるかな。
あるいは、
息を吸う時に
「いい匂いの感じ」
「ちょっと煙っぽい感じ」
とか。

先日、
本番のドレスなんかの話をしていて。

なんか、
シンプルなデザインなんだけど、
上質なベルベットとか
上質なサテンとかで
色が深くて品がいいやつ…
なんて話をしてみたり。

特別に主張が強くて
アピールする!
という感じではないけど、
存在が特別、みたいなね。
布の質感が特別なだけ!
…みたいな。(笑)

「色」から連想するものに
「質感」を求めるのは
ひいては「温度」
ということになるかも知れません。

カラフルでたくさんの色があるのも
いいけれど、
その濃淡や
手触りの違い、
「質感」の違い…
って、ちょっと面白いと思わない?(笑)

それでは、また!
仲村真貴子

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