先生と生徒

2月になりましたね。

本格的な受験シーズンに突入。私が関わる受験生たち…多くは若き歌い手たちですが、センター試験が終わってスッキリしたのか、返って落ち着いて見えるのが不思議。集中できるって、大事なことなのかも。頼もしい限りです。私は…結構あたふたしていたなぁ。本当に、みんな頑張って欲しいな…と、心から思っています。

昨日、一しきり受験生たちのレッスンが終わった後に、在学中の大学生が。レッスンが終わったあとに、

「友達が先生と上手く行っていなくて、先生を変わりたいみたい。でも、反対されていて大変そう…。」

と、深刻に相談してきたのですね。

親身になって耳を傾ける、先生と私…。

実は私、ちょうど受験の頃に、お世話になっていた先生方と上手く行かなくなった…という、ほろ苦い経験を持っています。悪口を言いたいつもりはないし、そんなこと関係なくやっていける力があればよかった…と、自分を責める気持ちは未だに無くは無いけれど。

当時、先生夫妻と、旦那さんの側の師匠という、3人に同時についている感じだったのですね。それに、高校の内部での先生も含めたら、4人。高校の先生は、立場をわきまえつつも、どうにかしようとしてくださったこともあって…私は多々失礼なこともしたと思います。でも、先生3人に囲まれてのレッスンで自分を強く押し出せるほど、私は強くはなかった。だから、混乱したり、萎縮したり、人の顔色を伺うようになったり…そこから抜け出すのは、なかなか大変でしたね。取り敢えず自分で納得したくて、練習してはいたけど…コレって無意味だよなぁ、と思う絶望感は、未だにあまり思い出したくはない。(苦笑)

やっと最近になって、
「その体制、無理だから」
と言われることも多くなって、まぁ…少しは頑張ったかなぁ、と思うようになってきました。

だから、こういう、先生との話は他人事とは思えない。そして、先生との関係で悩むような人が、他に出ないといいなぁ…と、切に思っています。まぁ、まだ先生業をしていない私がこんなことを言うのは、軽率かも知れないけど。

「先生と生徒って『鏡』なの。
だから、こっちが本気で心を開かないと、生徒も心を開いてくれない。」

昨日ご一緒していた先生が、あるとき仰っていた言葉。
つい最近、師弟関係ではないけれど、これを実感することがあったし、ドイツでお世話になった大先生方も、そう。先生とは、その生き様を見せることなのかもしれません。まぁ、音楽家も、しかり。ひいてはそれが、それが相手を尊重することになるのでは…と。

…なーんてね。

仲村真貴子