11月22日 リサイタルに寄せて 〜その2 「コンセプトって大事」〜

こんばんは。仲村真貴子です。

ここ数日は、ピアノよりもパソコンに向き合う時間の方が長い。

けれど、重い腰を上げて、無い頭を捻って、出てくるのは焦りと不安だけ…みたいなことも、しばしば。

一方で、早起きして満員電車に揺られたり、朝早くから初めて行く場所で大迷子!になったり、車で出かけるときにボーッと外を眺めたり。そんなときに、いろんなアイデアが「ふっ」と、予期せぬタイミングで沸いてくるものですね。

パソコンと向き合いつつ、サッカーを観ていて…というか、何となく聴いていて、ふと思ったこと。

「コンセプトって、大事…。」

コンセプトとか、
スタイルとか、
あるいは美学とか、哲学とか言ったもの。

聞かれると、正直答えに困りますよね。

「そんな大宗なものはございません」と思ったり、
逆に「カッコいいこと言わなきゃ」と思ったり、
あっても言うのが恥ずかしかったり、
…そもそも一体何なのか、自分でわからなかったり。

答えのない問いは難しい、
なのに「正解」を求めようとしてしまう…。

それに、もしもあっても「貫く」のが難しい。
結果が出るのには時間がかかるし、その間に横槍もたくさん入る。

マリノスの試合を気にかけて、そんなことを考えていて。

…あれ??音楽も全く同じじゃない…??

演奏するにあたって、またはリサイタルを開催するにあたって、そう言ったものが大事になるよ…と言われて久しい。そんな胡散臭いことを…と、心底思ったけれど、その意味が少々わかり始めてきた気がする。言い訳じみていることを承知で言うならば、音楽家がモノになるのに時間がかかる理由は、これではないか。スタイルとか、コンセプトとか言ったものが出来上がるのに、時間がかかる。あるいは、そこに行き着くのに時間がかかる。

「私のコンセプトはこれです!!!」
っと、ババーーん!!と発表できればかっこいいけれど、そうは問屋が卸さないと言うか…。おそらくは、それを自分で見付けてやっていくために、今回のリサイタルが位置付けられていて、一つ一つの段取りが組まれている気がする。願わくば、一度そう言ったことを考えてみてください…と言うような思惑もある。

コンセプトとか、スタイルとかに「違い」こそあれど。
そこにひたむきに邁進する姿は、人を魅了するのだと信じて。

それでは、また!

仲村真貴子
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